パグは愛嬌たっぷりのしわしわ顔と、ずんぐりむっくりとした体型が特徴的な小型犬です。その独特な見た目と愛らしい性格から、世界中で愛されている人気犬種のひとつです。短い鼻とくりくりとした大きな目、そして体に似合わない元気な性格は多くの人を魅了してきました。小型犬を飼いたいと考えている方にとって、パグはとても魅力的な選択肢になるでしょう。
この記事では、パグの性格や特徴、飼育のポイントやおすすめの遊びなど、パグについての情報を詳しく紹介していきます。これからパグを迎え入れようと考えている方も、すでにパグと暮らしている方も、ぜひ参考にしてみてくださいね。
パグはどんな犬?

性格
パグは明るく陽気で人懐っこい性格の持ち主です。飼い主さんと遊ぶことが大好きで、いつも笑顔を絶やしません。愛情深く甘えん坊な一面があり、家族との時間を何よりも大切にします。寂しがり屋な性格なので、長時間の留守番はあまり得意ではありません。常に家族のそばにいたいと思っているのです。
また、パグは他の人や犬にも比較的懐きやすく、社交的な一面も持ち合わせています。警戒心が少なく、無駄吠えもあまりしない犬種なので、マンションでも飼いやすいでしょう。ただし興奮しやすい一面もあるので、適度に落ち着かせるトレーニングが必要です。
さらに、パグは自立心が強く、時には頑固な一面を見せることもあります。一度思い込んだことは簡単に諦めない頑固さがあり、しつけには根気強さが求められます。しかし、その頑固さも含めて愛らしい性格の一部といえるでしょう。食いしん坊で好奇心旺盛なところも、パグの魅力のひとつです。
ビジュアル
パグといえば、何といってもあの特徴的なしわしわの顔立ちが印象的です。ぺちゃんこの鼻と大きな丸い目、シワの多い顔が愛くるしさを演出しています。顔のシワは「心配そうな表情」や「困ったような表情」を作り出し、思わず微笑んでしまうような愛らしさがあります。
短く滑らかな被毛は手入れがしやすく、毛色はシルバー、アプリコット、フォーン、ブラックなどが認められています。特に鼻先(マズル)や口もと(マスク)、耳は黒く濃いほど良いとされているようです。フォーンの場合は背筋に現れる濃色部分(トレース)も、濃いほど良いとされています。
また、パグの体型はスクエアでがっちりしており、小型犬とは思えないほど筋肉質です。短い脚でコロコロと歩く姿はとても愛らしく、二重にくるりと巻いたしっぽを背中にのせているのも特徴的です。耳は前に垂れたボタン耳と、短く巻いているローズ耳の2種類があります。このユニークなビジュアルが、多くの人々をパグの虜にしているのです。
大きさ
パグは小型犬ですが、同じ小型犬の中ではやや大きめのサイズ感があります。地面から背中までの高さである体高は、一般的に約25〜28cm程度です。体重は成犬になると約6.3〜8.1kgが標準とされています。これは小型犬の中では少し重めの部類に入りますが、その分がっしりとした安定感があります。
子犬から成犬になる時期は、生後約10ヶ月頃とされています。しかし、生後7ヶ月頃にはほぼ成犬に近いサイズまで成長することが多いようです。パグの大きさには個体差もあり、小さめのパグと大きめのパグでは5kgほど体重差があることもあります。
よく似た犬種として知られるフレンチブルドッグ(体重8〜14kg)やボストンテリア(体重6〜11kg)と比べると、パグはやや小さめのサイズ感です。しかし、ポメラニアンやトイプードルなどの超小型犬と比べるとずっと大きく感じられるでしょう。抱っこする機会が多い方や、マンションでサイズ制限がある場合は、成犬時のサイズをよく考慮して検討することをおすすめします。
飼育の難易度
パグは人懐っこく社交的な性格で、基本的には初心者でも飼いやすい犬種といえます。無駄吠えが少なく、比較的温和な性格なので、マンション暮らしにも向いています。また、短毛なので毎日のブラッシングも簡単で、グルーミングの手間もそれほどかかりません。
しかし、パグを飼う上でいくつか注意すべき点もあります。まず、短頭種(鼻の短い犬種)であるため、呼吸器系の問題に注意が必要です。暑さや運動による負担で呼吸困難になりやすいため、特に夏場の熱中症対策は欠かせません。また、皮膚のシワは定期的な清掃が必要で、皮膚トラブルを起こしやすい傾向があります。
さらに、頑固な一面もあるため、しつけには忍耐強さが求められます。自立心が強く、時には自分の意志を主張することもあるでしょう。しかし、適切なしつけと愛情を持って接すれば、とても愛らしく従順なパートナーになってくれます。食いしん坊な面もあるので、肥満にも注意が必要です。
総合的に見ると、パグの飼育難易度は中程度と言えるでしょう。初心者でも十分に飼育できますが、いくつかの特有の注意点をしっかり理解しておくことが大切です。
パグを飼うポイント
子犬期
パグの子犬期は、とても可愛らしく活発な時期です。この時期に適切なしつけと社会化を行うことが、健全な成長につながります。まずは基本的なトイレトレーニングや、「おすわり」「ふせ」などの簡単なコマンドから始めましょう。パグは頑固な面もありますが、褒めて伸ばすポジティブなしつけが効果的です。
また、子犬の頃から様々な人や環境に慣れさせることが大切です。社会化が不十分だと、成犬になってから問題行動につながることがあります。他の犬や人との触れ合いの機会を積極的に作りましょう。ただし、予防接種が完了するまでは、感染症のリスクがあるため注意が必要です。
子犬期のパグは体が小さく、体温調節機能も未熟です。特に暑さや寒さには弱いので、室温管理に気を配りましょう。また、この時期は好奇心旺盛で何でも口に入れてしまうことがあるため、危険なものは手の届かない場所に置くようにします。子犬の頃からリードに慣れさせる練習も重要です。パグは引っ張りがちなので、早いうちから正しい歩き方を教えておくと良いでしょう。
子犬期のポイント | 具体的な対応 |
---|---|
しつけ | ポジティブな方法で根気強く、「おすわり」「ふせ」などの基本から |
社会化 | 様々な人や犬、環境に慣れさせる(感染症に注意) |
健康管理 | 予防接種をしっかりと、体温管理に気を配る |
危険防止 | 小さなものや危険なものは届かない場所に |
リードトレーニング | 早めに引っ張らない歩き方を教える |
成犬期
パグの成犬期は、性格や行動パターンが安定してくる時期です。この時期には、適切な運動と食事管理が健康維持の鍵となります。パグは食いしん坊で運動不足になりがちなため、肥満に注意が必要です。1日2回、20〜30分程度の散歩を基本として、室内での遊びも取り入れましょう。ただし、短頭種であるパグは激しい運動や暑い時期の運動は呼吸困難を引き起こす恐れがあるため注意が必要です。
また、成犬になっても引き続きしつけや訓練を行うことが大切です。特に「待て」や「おいで」などのコマンドは、万が一の時に命を守ることにもつながります。パグは頑固な一面もありますが、根気強く愛情を持って接すれば、しっかりと理解してくれます。
さらに、成犬期のパグはシワの間の清潔維持が重要です。シワの間に汚れがたまると皮膚炎などのトラブルの原因になるため、定期的に清掃しましょう。被毛のお手入れは週に2回程度のブラッシングで十分ですが、換毛期には毎日行うと良いでしょう。また、定期的な健康診断を受けることで、病気の早期発見・早期治療につなげることができます。
成犬期のポイント | 具体的な対応 |
---|---|
運動管理 | 1日2回、20〜30分程度の散歩(暑い時期は注意) |
食事管理 | 肥満防止のため、適切な量と質を守る |
しつけの継続 | 「待て」「おいで」など重要なコマンドの強化 |
スキンケア | シワの間の清掃を定期的に行う |
健康診断 | 年に1〜2回の定期検診を受ける |
高齢期
パグの平均寿命は約12〜15年と言われています。高齢期に入ると、若い頃とは違った配慮が必要になってきます。まず、運動量は徐々に減らしていきますが、適度な活動は続けることが大切です。散歩の距離や時間を短くしたり、階段の上り下りを避けるなど、負担を減らす工夫をしましょう。
高齢になると食欲の変化や消化機能の低下が見られることがあります。シニア犬用のフードに切り替えたり、食べやすい形状や硬さにするなどの配慮が必要です。また、水分摂取量が減りがちになるため、十分な水分補給を心がけましょう。
さらに、高齢のパグは関節の問題や視力・聴力の低下が見られることがあります。滑りにくい床材を使用したり、障害物を減らすなど、生活環境を整えてあげることも大切です。また、若い頃以上に定期的な健康診断が重要になります。早期に異変に気づくことで、適切な治療やケアにつなげることができます。
高齢期のパグは温度変化にも敏感になります。特に夏場の暑さや冬場の寒さには十分注意し、快適な室温を保つようにしましょう。シニア期のパグとの時間は特別なものです。ゆっくりとした時間を大切にし、愛情深くケアしてあげることで、最期まで幸せな日々を過ごすことができるでしょう。
高齢期のポイント | 具体的な対応 |
---|---|
運動管理 | 無理のない範囲で、短時間・低負荷の運動を |
食事 | シニア犬用フードへの切り替え、食べやすさの工夫 |
生活環境 | 滑りにくい床材、障害物の除去など安全対策 |
健康管理 | より頻繁な健康診断と変化の早期発見 |
温度管理 | 暑さ・寒さへの配慮、快適な温度の維持 |
パグで気をつけたい病気は?
パグは個性的な容姿と魅力的な性格を持つ犬種ですが、その特徴的な体型からいくつかの健康上の問題に注意が必要です。まず最も気をつけたいのが「短頭種気道症候群」です。パグは鼻が短く平らなため、鼻腔や気管が狭くなり、呼吸困難や咳などの症状を引き起こすことがあります。特に運動時や興奮時、暑い時期には症状が悪化しやすいので注意が必要です。
また、パグはシワの多い皮膚を持つため、皮膚疾患にもかかりやすい傾向があります。シワの間に湿気や汚れがたまると、細菌が繁殖して「膿皮症」などの皮膚トラブルを引き起こすことがあります。定期的なシワの清掃と皮膚の観察が大切です。
さらに、パグ特有の病気として「パグ脳炎(壊死性髄膜脳炎)」があります。これは脳全体に炎症や壊死が広がる深刻な病気で、けいれんや異常行動、発熱などの症状が見られます。原因は完全には解明されていませんが、遺伝的要因が考えられています。早期発見・早期治療が重要です。
そのほかにも、「膝蓋骨脱臼」や「熱中症」、「心臓疾患」なども注意が必要です。特に熱中症は短頭種であるパグにとって大きなリスクとなります。夏場の散歩は涼しい時間帯に行い、室内では適切な温度管理を心がけましょう。定期的な健康診断を受けることで、これらの病気の早期発見につなげることができます。
注意すべき病気 | 症状 | 予防法 |
---|---|---|
短頭種気道症候群 | 呼吸困難、いびき、咳 | 過度な運動を避ける、暑さを避ける |
皮膚疾患(膿皮症など) | 赤み、かゆみ、膿 | シワの清掃、皮膚の定期チェック |
パグ脳炎 | けいれん、異常行動、発熱 | 遺伝性のため予防困難、早期発見が重要 |
膝蓋骨脱臼 | 足の引きずり、跳ねるような歩き方 | 適切な体重管理、過度なジャンプを避ける |
熱中症 | 過呼吸、よだれ、ふらつき | 暑い時期の散歩を避ける、室温管理 |
パグにおすすめのおもちゃや遊びとは?
パグは遊ぶことが大好きな活発な犬種です。特に飼い主さんと一緒に遊ぶ時間を何よりも楽しみにしています。パグは屋外での激しい運動よりも、室内での適度な遊びがおすすめです。暑さや寒さの影響を受けやすいため、快適な室内環境での遊びを中心に考えましょう。
パグに人気なのは「音が鳴るおもちゃ」です。ピコピコと音が鳴るぬいぐるみやボールは、パグの好奇心を刺激します。噛んだり踏んだりすると音が鳴るタイプのおもちゃは、遊びの興味を持続させるのに効果的です。チキンフレーバーやバニラフレーバーなどの香りが付いたおもちゃも、食いしん坊なパグには特に人気があります。
また、飼い主さんとの「引っ張り合い遊び」もパグは大好きです。ぬいぐるみやロープを使った引っ張り合いは、コミュニケーションの一環として楽しい時間になります。ただし、あまり興奮しすぎると呼吸が荒くなることがあるので、適度に休憩を入れながら遊ぶことが大切です。力加減にも注意しましょう。
さらに、好奇心旺盛なパグには「ノーズワーク」もおすすめです。おやつを隠して嗅覚を使って探す遊びは、頭と体の良い運動になります。パグは鼻が短いため、深い場所にはおやつを隠さず、比較的見つけやすい場所に隠すと楽しく遊べます。さまざまな仕掛けができるノーズワークマットなどは、飽き性のパグでも長く楽しめるおもちゃです。
おすすめの遊び | 特徴 | おすすめのおもちゃ |
---|---|---|
音が鳴る遊び | パグの好奇心を刺激する | 鳴き笛入りぬいぐるみ、ピコピコボール |
引っ張り合い | 飼い主とのコミュニケーションに | ロープ、丈夫なぬいぐるみ |
ノーズワーク | 嗅覚を使う知育遊び | ノーズワークマット、おやつボール |
お散歩探検 | 新しい環境での好奇心満足 | 伸縮リード(適切に使用) |
パグのシャンプーの頻度は?
パグは短毛で比較的お手入れが簡単な犬種ですが、シワの多い皮膚と抜け毛の多さから、適切なシャンプーとお手入れが重要です。シャンプーの頻度は、基本的には1〜2ヶ月に1回程度が目安です。頻繁にシャンプーをすると、皮膚の自然な油分が失われて皮膚トラブルの原因になることがあります。
日常的なお手入れとしては、週に2回程度のブラッシングが基本です。ラバーブラシやコーム、獣毛ブラシなどを使って、抜け毛を取り除きながら皮膚の血行を促進しましょう。特に換毛期には毎日のブラッシングが必要になることもあります。ブラッシングは皮膚を傷つけないよう、優しく丁寧に行いましょう。
パグ特有のケアとして最も重要なのが「シワ掃除」です。顔のシワの間は汚れがたまりやすく、細菌が繁殖して皮膚トラブルを起こす原因になります。湿らせたコットンやペット用のお手入れシートで、シワの間を優しく拭き取りましょう。特に食べ物や飲み物が付着しやすい口周りのシワは、食後にこまめに拭くと清潔に保てます。
おうちでシャンプーをする際には、パグの皮膚に優しいシャンプーを選ぶことが大切です。コノコビのシャンプーは、パグのような敏感肌の犬種にもおすすめです。低刺激で自然由来の成分を使用しているため、皮膚への負担が少なく、毛並みも美しく保つことができます。また、優しい香りで、シャンプー後も爽やかな香りが続きます。シャンプー後はしっかりとすすぎ、タオルでやさしく水分を拭き取り、完全に乾かすことも大切です。
お手入れの種類 | 頻度 | ポイント |
---|---|---|
シャンプー | 1〜2ヶ月に1回 | パグの皮膚に優しいシャンプーを使用 |
ブラッシング | 週に2回(換毛期は毎日) | ラバーブラシや獣毛ブラシを使用 |
シワ掃除 | 毎日(特に食後) | 湿らせたコットンで優しく拭く |
爪切り | 2〜3週間に1回 | 爪が床に当たって音がしたら目安 |
歯磨き | 2〜3日に1回 | 歯垢の蓄積を防ぎ口臭予防に |
おうちシャンプーをする時は、コノコビのシャンプーがおすすめです。パグの敏感な皮膚にも優しい低刺激処方で、天然由来成分を豊富に含んでいるため、皮膚トラブルを起こしにくいのが特徴です。また、適度な洗浄力で皮脂バランスを整えながら、毛並みをツヤツヤに保つ効果も期待できます。さらに、優しく心地よい香りで、シャンプー後もパグが気持ちよく過ごせます。パグのシワの間の皮膚も優しく洗えるので、皮膚トラブルの予防にもつながります。
まとめ
パグは愛嬌たっぷりの顔立ちと明るく陽気な性格で、多くの人々に愛される小型犬です。体高約25〜28cm、体重約6.3〜8.1kgのコンパクトながらがっしりとした体格は、小さな子供からお年寄りまで幅広い家族に愛されています。社交的で遊ぶことが大好きな性格は、家族の笑顔を絶やしません。
パグを飼う際には、短頭種特有の呼吸器の問題や皮膚のケアに注意が必要です。特に熱中症には十分な対策が欠かせません。また、頑固な一面もあるため、子犬の頃からのしっかりとしたしつけと社会化が大切です。成犬期には適切な運動と食事管理で健康を維持し、高齢期には体の変化に合わせたケアが必要になります。
パグと楽しく過ごすためには、室内での遊びを中心に、音が鳴るおもちゃや引っ張り合い遊び、ノーズワークなどを取り入れると良いでしょう。シャンプーは1〜2ヶ月に1回程度を目安に、日常的なブラッシングとシワの清掃を欠かさないことが健康維持のポイントです。
パグはその独特な容姿と愛らしい性格で、きっとあなたの生活に笑顔をもたらしてくれることでしょう。適切なケアと愛情をもって接すれば、長く健康的な生活を共に過ごすことができます。あなたもパグとの素敵な暮らしを始めてみませんか?
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